梟、駆ける。

社会人野球やクラブチームなどややニッチな野球記事や雑記を投稿。

【スポンサーリンク】

社会人野球・JABA大会の対戦方式について

こんにちは、今年もいよいよ社会人野球のシーズンが始まりましたね。新谷(しんや)くんです。*1


f:id:shinya_owl_net:20180315134858j:plain


今年も例年通り、3月より社会人野球の大会が開催されました。毎年初めに開催されるのが「JABA東京スポニチ大会」です。

今年(2018年)は3/11〜3/14の4日間明治神宮球場*2・大田スタジアム*3・岩槻川通公園野球場(やまぶきスタジアム)*4東北・関東・東海・近畿・中国・九州地方から計16チームが出場し、熱闘を繰り広げました。

そして、今年の優勝チームHonda(関東地区)に決まりました。


(新谷くんの回想)


我らが九州地区から選出されたHonda熊本は惜しくも決勝で敗れ去りました…。


Honda熊本攻守の要・浜岡直人選手*5(九州学院高―亜細亜大)


f:id:shinya_owl_net:20180315133040j:plain


Honda鈴鹿から移籍してきた片山雄貴選手(福工大附城東高―駒澤大)


f:id:shinya_owl_net:20180315133100j:plain


この二選手の活躍が目立った今年のスポニチ大会でした。都市対抗野球九州地区予選でもHonda熊本の力は脅威となるでしょう。*6


(回想終わり)


さて、話を戻します。社会人野球の特色として挙げられるのが、今回のJABA大会*7となります。

このJABA大会は一年を通じて、様々な地区で開催されます。「同じ地区同士で試合をするんじゃないの?」「大会に優勝したらどんなメリットがあるの?」初見の方がJABA大会を観た時にこんな疑問が生じるのではないでしょうか。

そこで今回は、JABA大会について話します。社会人野球観戦歴がまだ浅い方にとっての参考になれば幸いです。

JABA大会の意義と優勝するメリット

JABA大会について話す前に、社会人野球における大きな大会(全国大会)について話す必要があります。

まずは毎年夏に開催される都市対抗野球大会*8、開催地は東京ドームです。こちらは優勝チームに黒獅子旗が送られます。

また、代表チームの名称に加え、チームの所在地である市町村名も紹介されます。更に、都市対抗野球大会には補強選手制度があります。こちらは同じ地区で敗退した全チームの中から3選手を補強としてチームに加えることができるという制度です。

このように都市対抗野球大会は様々な特色があり、社会人野球大会の中で最も大規模な大会といえるでしょう。各地区の予選を勝ち抜いたチームが集う大会です。

それに対して、毎年秋に開催されるのが社会人野球日本選手権、開催地は京セラドームです。

こちらは優勝チームにダイヤモンド旗が送られます。この大会におきましては、市町村名の記載や補強選手制度などはありません。

その代わり、同年の都市対抗野球大会・全日本クラブ野球選手権大会*9(JABA主催のクラブチームを対象とした大会)の優勝チームに出場権が与えられます。こちらも各地区の予選を勝ち抜いたチームが集います。

前置きが長くなりましたが、JABA大会の位置づけは、この二大会の後者、社会人野球日本選手権に繋がる大会となります。各JABA大会の優勝チームが、毎年秋に開催される社会人野球日本選手権に出場できる権利が得られるのです。

ただし、社会人野球日本選手権大会に関連しないJABA大会も多くあります。こちらは、地域性や交流試合の要素が強い大会となっています。

JABA大会の対戦方式とルール

次にJABA大会の対戦方式についてです。一般的には、トーナメント方式を採用した高校野球リーグ戦方式を採用したプロ野球が想像されるかと思います。

JABA大会はこの二つの方式を同時に採用しています。

予選を各グループごとのリーグ戦方式、各グループの代表者が戦う決勝ではトーナメント方式を採用しています。

今回のJABAスポニチ大会を具体例として挙げると、参加チーム数は16。これを4チームごとに振り分け、A~Dグループでリーグ戦が行われます。

そして、各グループの代表チームによる4チームのトーナメント戦(準決勝・決勝)が行われ、優勝チームが決まるということです。

また、都市対抗野球大会・日本選手権大会の地区予選でも敗者復活戦を取り入れたトーナメント方式が採用されていますが、この話は別の記事でとりあげようと思います。

一回負けると予選敗退・・・ではない!

さて、このリーグ戦についてですが、野球好きの方が疑問に思われる点が出てくると思います。「同じ勝率のチームがいる場合はどちらが勝ちあがるの?」という点ですね。例えば、4チームでリーグ戦を開催すると以下のようなパターンが考えられます。

〈パターン①〉
Aチーム 2勝1敗   Bチーム 2勝1敗   Cチーム 1勝2敗   Dチーム 1勝2敗


〈パターン②〉
Aチーム 2勝1敗   Bチーム 2勝1敗   Cチーム 2勝1敗   Dチーム 0勝3敗

今回のJABAスポニチ大会では、このパターン①②に該当するリーグがありました。下記の試合結果一覧を確認してみましょう。*10


http://www.jaba.or.jp/taikai/2018/jabataikai/pdf/tokyo.pdf


まず、Bリーグについてです。Honda(優勝チーム)*11JR西日本*12パターン①のA・Bチームに該当します。

この場合、該当する2チームの直接試合の結果が参考になります。

それではBリーグのHonda vs JR西日本の試合結果を見てみましょう。4-1でHondaが勝利しています。すなわち、Hondaが決勝トーナメントに進出することになります。


それでは、Cリーグについてはいかがでしょうか。東京ガス*13東芝*14日本新薬*15パターン②のA・B・Cチームに該当しますね。

この場合も3チームの直接試合の結果を参考にしたいところですが、今回のケースはお互いが勝ったり負けたりしている。すなわち三つ巴の構図ができあがってしまいました。

このようなケースでは、JABAが規定した要領に従うことになります。詳細は下記URLをご覧ください。*16 基準としましては、①~⑥を採用し、番号が若い方が優先されます。


http://www.jaba.or.jp/gaiyou/naiki/junikettei.pdf


(リーグ戦における順位決定に関する取扱要領 抜粋)

①「別に定めるポイント制」によるポイントが多いチームが上位
② 総失点が小さいチームを上位
③ 得失点率差が大きいチームを上位
④ チーム自責点率が小さいチームを上位
⑤ チーム打率が高いチームを上位
⑥ 抽選(コイントス)


(ポイントに関する詳細)

《勝ち》 
コールド勝ち ◎(4ポイント)
勝ち ◯(4ポイント)
タイブレーク*17勝ち △(3ポイント)
《引き分け》 
引き分け □(0ポイント)
《負け》 
タイブレーク負け ▲(-3ポイント)
負け ●(-4ポイント)
コールド負け ×(-5ポイント)


前置きが長くなりましたが、今回は①が採用され、3チームのポイント数は同じですが、「ポイント表」の基準により、コールド勝ちの試合が1つある東芝が決勝トーナメントに進出することになります。また、②の基準でも総失点が1番少ないチームが東芝になります。


(追記)・・・と上記していましたが、コールド勝ち(◎)でも勝ち(○)でもポイント数は変わらないので、ここでは②が基準となり、総失点が一番少ない東芝が決勝トーナメント進出となります。以前はコールド勝ちしたチームには「5ポイント」進呈されていたようですが今では普通の勝ちと変わらず4ポイント。それなら◎と○どう違いがあるの?と疑問点がわいてきますが・・・むぅ、奥深い(?)です。



JABA本部も、大会毎に順位が明らかな場合でもポイントを付け、明示化しています。分かりづらいですが。*18(下記URL参照)


http://www.jaba.or.jp/taikai/2018/jabataikai/pdf/tokyo_b.pdf


今回のスポニチ大会とはまた違うパターンも出てくると思いますが、JABAが作成した取扱要領で全てをカバーすることができます。


このようにJABA大会のリーグ戦では様々な戦績が想像されるため、最初の試合で勝ったからといって油断はできないのです

「次の試合相手も1勝してるから、この試合も勝たないと」「別のチームも2勝1敗で終える可能性があるから最後の試合は点を取られすぎないようにしないと」各チームの色々な思惑が加味されるのもJABA大会リーグ戦方式の面白さなのです。

それはすなわち、初戦で負けてしまってもリーグ戦を勝ち上がれる可能性がまだあるということなのです。


選手はもちろん、われわれ観客もこのようなルールを把握しておくことで2試合目以降の試合展開、決勝トーナメント進出条件などを考えることができます。そう、社会人野球は奥深いのです。

JABA大会の日程と開催地区(2018年版)

社会人野球を見始めたばかりの方やそうではない方、この記事をきっかけに興味を持ってくれた方、JABA大会について少しは理解できたのではないでしょうか?

最後に、今年(2018年)の主なJABA大会の日程を掲載します。様々な地区で開催されており、期間は平日・土日祝関わらず試合が開催されています。これを機に、皆様が住まれている地域の試合を観戦しに行ってみてはいかがでしょうか?

主に4~5月に開催されており、温暖な気候の中、社会人野球選手の試合を観ることができますよ!*19(下記URL参照)


※社会人野球日本選手権対象大会のみ記載しています


2018年 日本選手権対象大会一覧www.jaba.or.jp


3/11〜3/14 第73回JABA東京スポニチ大会(関東) ※開催済
4/3〜4/7 第65回JABA静岡大会(東海)
4/5〜4/9 第47回JABA四国大会(四国)
4/13〜4/18 第41回JABA日立市長杯選抜野球大会(関東)
4/13〜4/17 第61回JABA岡山大会(中国)
4/18〜4/22 第60回JABA長野県知事旗争奪大会(中部)
4/26〜4/30 第69回JABA京都大会(関西)
5/2〜5/6 第71回JABAベーブルース杯大会(東海)
5/7〜5/11 第71回JABA九州大会(九州)
5/9〜5/13 第60回JABA北海道大会・第49回JABA東北大会(北海道・東北)

*1:スポニチ大会行けなくて狂いそう…!

*2:我ら東京ヤクルトスワローズの聖地

*3:伊勢屋のおにぎりが美味しすぎて震える

*4:アクセスが不便なのでおそらく埼玉県民しかいかない

*5:球場に奥さんと子どもを連れてくるナイスガイ

*6:これからも新谷くんは九州を全面支援します

*7:JAPAN AMATEUR BASEBALL ASSOCIATIONの略称 長すぎる

*8:今年も参戦します

*9:過去の優勝チームには和歌山箕島球友会やビッグ開発ベースボールクラブなど

*10:決して手抜きではない

*11:全開ホンダ最高

*12:応援団が不思議な踊りを披露する

*13:アタックコールはいいぞ

*14:倒せ東芝とか言わないでリアルだから

*15:愛くるしいフクロウさんがマスコット

*16:決して手抜き

*17:別名鯛フレーク

*18:JABA仕事しろ

*19:球場によってはまだ肌寒いところもある

【スポンサーリンク】