梟、駆ける。

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独立リーグ(四国IL・BCリーグ)合同ドラフト会議を通して選手の実態が気になった(前編)

今回の記事は先日発表された、独立リーグ合同ドラフト会議についてのお話。先に率直な感想を述べると



「んんん?これだけ選手たくさんとって独立リーグ球団は責任取れるのか?」



という疑問が浮かんだ。私はアマチュア野球が好きだが、独立リーグの試合は1試合も観たことがないし、全容を知っている訳でもない。しかしながら、今回はあえて独立リーグドラフト会議について感じた感想を書かせて頂く。

独立リーグ(四国IL・ルートインBC)合同ドラフト会議とは

以前、独立リーグのドラフト会議は四国アイランドリーグルートインBCリーグ、二つの別々のリーグとして開催されていた。しかし、今年度からは独立リーグに入りたいという選手達の門戸を広げるため、合同で開催されたらしい。


「狭いマーケットで、選手の取り合いとかマネーゲームをしたくない。スタッフの数にしても、かけられる費用に限界もある。だったら、このトライアウトにしても、一緒にやれるなら、それがいいんじゃないかと。受験者にとっても、多用な選択肢を与えることができますからね」

 トライアウトの方式や、選手獲得のルールなど、両リーグでの違いは、もちろん存在している。例えば、トライアウトのエントリーの際に、選手から「希望球団」として選択されている場合、球団は「特別合格」とし、トライアウトの受験を免除させることができる。その人数が、四国ILでは各球団「無制限」、BCLは各球団「5人」だったが、これを四国側に合わせて、今回は「無制限」となった。

このように、2つのリーグが一体で動くことで、無駄を省くという効果は大きい。これと同時に「経済効果」という面も見逃せない。丸亀でのトライアウトでも受験者、両リーグや球団の関係者らで宿泊が必要な人数を120人と見積もったとしても、丸亀市内に「200泊分」の宿泊が生まれる。これは見方を変えれば「四国の外から人を呼び込んだことになる」と坂口理事長。人口減少、少子高齢化の流れの中で、活気が失われつつある地方で、いかにして人を呼び込む“仕掛け”を作れるのか。「こういうことが、地方創生の1つじゃないですか?」という坂口理事長の問いかけには、うなずける部分が多々ある。


上記の文面は独立リーグに関する記事からの引用文である。なるほど理に適っているものだろうし、独立リーグ自体の活性化にも繋がるだろう。それでは、今年の合同ドラフト会議ではいったいどのような選手が指名されたのだろうか。

合同ドラフト会議で多くの選手をとりすぎではないか

今年度(2018年度)の合同ドラフト会議の結果がこちらである。また、四国アイランドリーグ・ルートインBCリーグ公式HPでも今年度のドラフト会議の結果を公表している。


【ドラフト会議2019】プロ野球 独立リーグ ドラフト指名結果一覧<BCリーグ・四国アイルランドリーグ> | 高校野球ニュース


《四国アイランドリーグ》
四国アイランドリーグplusドラフト会議の結果について – 四国アイランドリーグplus 公式サイト


《ルートインBCリーグ》
BCリーグについて|ルートインBCリーグ -Baseball Challenge League-


両リーグの球団総計が15球団。指名選手数が30名、特別合格選手数が107名総計137名の選手が合格。この数自体はプロ野球ドラフト会議で指名された選手と比べてもあまり変わりがないし、実際に独立リーグからプロ野球選手になれる選手も実在する。しかし、入団した後の選手のことを想像してもらいたい。

独立リーグとプロ野球の実状を通してみえるもの


当然ながら独立リーグの選手も『プロ野球選手』である。しかし、プロ野球選手として生活を継続していくのは厳しい現状がある。その現状の理由はなにか。




それは、我々が生きていくために必要な『お金』である。この記事を見て欲しい。




www.sanspo.com



記事を見なくとも想像できるかもしれないが、実際に独立リーグの選手達の収入は乏しいものである。ざっとこの記事を参考にするにあたり、月15~20万程度であろう。おそらく手取りではなく総支給の金額である。条件によっては住まいや食事が保証されているかもしれないが、ここから当然、税金なども差し引かれる。



このようなハングリーな環境下だからこそ、良い選手が出てくるかもしれない。華々しいプロ野球の世界に入れる選手もいるだろう。しかし、現実はそう甘くはない。



今年度(2018年度)のプロ野球ドラフト会議の結果を見てほしい。果たして独立リーグの選手はどの順位・どの枠で指名されているのだろうか。独立リーグの選手達のみを抜粋してみた。


www.sanspo.com


東京ヤクルトスワローズ
育成1位 内山太嗣(栃木ゴールデンブレーブス)
育成2位 松本友(BC福井)

DeNAベイスターズ
6位 知野直人(BC新潟)

阪神タイガース
6位 湯浅京己(BC富山)
育成1位 片山雄哉(BC福井)

日本ハムファイターズ
育成1位 海老原一佳(富山GRNサンダーバーズ)

千葉ロッテマリーンズ
育成1位 鎌田光津希(四国IL徳島)


今年度は独立リーグから7名の選手が指名されたが、うち5名は育成枠である。また、他の2名も下位の指名である。今年度はアマチュア野球として枠づけされる社会人野球選手の上位指名も目立ち、さらに高校野球や大学野球の選手達も指名される。プロ野球スカウト陣から見た独立リーグの選手達の評価はまだまだ低いのかもしれない。



さて、仮に独立リーグに所属した選手だとして、プロ野球ドラフト会議で『育成枠』として指名されたとしよう。果たして、環境はどのように変わるだろうか。この記事を参考にしてもらいたい。



matome.naver.jp



プロ野球選手(育成枠)の月収はおおよそ月20~25万程度。さらに年数制限(上限3年)という縛りもある。個人的にこの待遇は独立リーグの待遇とあまり変わらないのではと思う。今後、独立リーグ出身の選手がドラフト上位指名されるというのならまた話は別であるが。ハングリーな環境を抜け出した先に見えるのは、またハングリーな環境なのである。

アイドル養成所や声優養成所と似た様な闇を感じつつ独立リーグに対する関心がわいた


いきなり話は変わるが、アイドル養成所や声優養成所の現状をみなさん知っているだろうか。独立リーグの世界とは全く異なる世界だろうが、個人的には独立リーグに対して抱いているような不安や懸念がある。



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野球にもプロ野球や社会人野球、独立リーグなど様々な組織がある。アイドルに関しても、ご当地アイドルや地下アイドルなど様々な領域のアイドルがいて、顧客のニーズを満たしている。しかし、アイドル側の立場に立って一度考えてみる。AKB48や乃木坂46、恵比寿マスカッツなどの一流アイドルになれる夢を実現させる者がそこにはどのくらいいるのだろうかと。安定した環境でアイドルを継続させることができる女性がどのくらいいるだろうか。どれだけ良い原石がいようともアイドル市場は飽和状態ではないであろうか。学業などにかける時間や将来の他の選択しを潰しかねやしないだろうか。



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声優養成所に至ってはもっと酷い環境だと私は感じている。声優養成所と銘打って、素人の金を搾取する形になっている養成所が地方はいくつかある。ましてやプロの声優は寿命が長く、入れ替わりは早々ない現状。『アニメが好きだから声優になりたい。』そのような思いだけでは簡単に踏み入るようなことができない厳しい世界がそこには待ち受けているであろう。



いきなりアイドルや声優の話題をもってきてしまったが、「夢を追いかけ、頑張っている人」と同じカテゴライズができるとしたら、私はそれに対するリアリティ的な疑問を抱いている。





夢はどこまで追いかけ続けられるものなのか





『プロ野球選手になる』という野球をする者にとっては大きな夢。しかし、ごくわずかの人にしか叶えられない夢。ハングリーな環境でしのぎを削っている独立リーグの選手の実態について、こうして私は興味を頂いた。

独立リーグに関する本の紹介


独立リーグに関する本が予想以上にあったので紹介。高知ファイティングドックスの球団エピソードが詰まっている『牛を飼う球団』は実際に読んでみて面白かったので、他の本も購入してみようかなと思う。











うーん、野球を通じて色々な世界が垣間みられるなぁ。(中学生並みの感想)

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